[書評]物を売るバカ 売れない時代の新しい商品の売り方
今回読んだのは、購入時に結構話題になっていたこちら。積ん読時間が長すぎました。。。
タイトルはインパクトがありますが、要は「売れるのが当たり前の時代はもう終わり。頭を使って売らないとバカを見ますよ」ということらしい。タイトルで結構勝負かけてるなぁ……。
商品を売る時、一般的には「価格」「品質」「広告」「流通」などが差別化ポイントとなります。ただ、このようなポイントで差別化するにはお金が掛かります。できるのは資本力のある企業だけです。当然、中小企業はとてもじゃないがかないません。それでも世の中に売れている企業や商品はたくさんあります。高くても買う商品はあるし、待たされてでも欲しい商品が存在します。それは商品そのものに加えて、商品以外のモノも買っているから。
ではその「商品以外のモノ」とは何か。
本書では、それは「物語」だと説明しています。
商品が持つ「価値」を「物語」として発信することでお客さまは興味を持ってくれる、と。しかも「物語」は商品に必ず存在するもので、無いと思う人はまだ発見できていないだけだ、とも。
売り手にとっての当たり前こそが、買い手にとって魅力的な「物語」になり、お客さまが興味を持ち売れるきっかけになるというのです。「当たり前がウリになる」というのは、私自身がライターの仕事をしている時に、常に意識していることのひとつ。それをいかに引き出すかが腕の見せどころでもあります。
もちろんこの「ストーリーで売ること」は嘘(フィクション)ではダメ。ストーリーは創作するものではなく、発見するものだと言います。本書には、最も魅力的に感じる「ストーリーの黄金律」の紹介や、ストーリーを発見するためのワークショップの様子なども記されていますから、参考にしながら新たな自社の「物語」を発見してみるのも良いかもしれません。
本書で語られていることは、「決して良いモノが、よく売れるわけではない。」ということ。「商品を売る」という発想をいかに変えるかが重要だと感じました。