[書評]ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

年初に宣言した読書とその感想をブログにアップの件。
第一弾が今頃というのはなんとも恥ずかしい限り。
栄えある一冊目は、株式会社フィードテイラーの大石社長から
ご推薦いただいた一冊です。
大石社長、ありがとうございます。

最初から400ページ超のビジネス書に手を出して大丈夫かと思いましたが、
意外とスムーズに読み進めることができました。
全編から感じたのは「今、世界は大きな節目の時期である」ということ。

本書は2025年の世界を推測することを軸に、世界が大きく変化すること、
そしてその変化に合わせて自分自身も変化(シフト)しなければならないと書かれていました。

そう、今が永遠に続くことはない。そして、その変化のスピードは年を追うごとに速くなるのだから。
変化するのが分かっているからこそ、『漫然と暗い未来を迎える』のではなく、
より素晴らしい世界を目指して『主体的に未来を築く』ために、
一人ひとりが『ワーク・シフト』することが必要なのです。

著者であるリンダ・グラットンは、以下の3つの『シフト』を提唱しています。
1.次々と専門知識を身につける『連続スペシャリスト』になる
2.『協力イノベーション』を起こせる人的ネットワークを築く
3.お金よりも家族や趣味、旅行など『消費より創造的経験』を大切にする

グローバル化とITテクノロジーの進化がソーシャル化を加速し、
世界中の知識や知恵が結びつく時代だからこそ、国境が希薄化し、
家族のあり方、さらには幸福感の所在すらも変化する、と筆者は予測しています。
私自身、起業や法人化をした理由、今までの仕事などを思い起こせば、
まさに知らず知らずのうちに『自分ブランド』を築きながら、
いかに多くの同業者の中から自分を選んでもらうかを考え続けているのだ、と気づかされました。
これからも誰かに頼ることなく、自分の意思で自分磨きを続けて、もっと尖らないとダメですね。

しかも人的ネットワークはまだ物理的距離に頼ってるし、創造的経験は時間がないと後回しになってる……。

本書を通じて確認できて良かったと思うのは、
私自身が選択した道は、あながち間違っていないということ。
ただ、やはり「止まったら死ぬ!」な寛平師匠のごとく、ずっと走り続けなければならないんですね。

私が本書を読んで一番感じたのは、
直接的に世界を変えるモノやサービスを生み出さなくても、
あらゆる人が、目の前の選択をひとつひとつ最善の選択をして行動することが、
より良い世界にすることに繋がるということ。

「群れない」「馴れ合わない」「甘えない」の『三ない』が
自身のテーマでもあるので、これをしっかりと意識しながら日々を過ごすことが、
スキルを磨き、ネットワークの拡大にも繋がることになり、
結果的として3つのシフトを実現する原動力になるのではないか、と感じました。

ひとり、あるいは少人数の組織を統率する経営者におすすめしたいですね。
400ページ以上ありますが、読む価値がある一冊だと思います。