『Salad』2017年5月号
和歌山県医師協同組合が発行する、ドクターのための情報誌『Salad』。ライターとして巻頭特集のテーマ企画、取材、執筆などを担当しています。
巻頭特集は、毎年和歌山県にちなんだテーマを1年間紹介するというスタイルになっており、ショートカプチーノにて、企画提案や取材、制作ディレクションなどを担当させていただいています。
第10回となる今回の「和歌山県内の歴史的近代建築物を巡る」は、「高野山大学 図書館」です。
「高野山大学」は日本最古の大学のひとつとして誕生した大学で、図書館は1898年に創設されました。現在も創設当時の建物が現役の図書館として利用されており、歴史的にも建築物としても非常に高い価値があります。「関西建築の父」と呼ばれる武田五一氏設計による外観や館内は、当時の技術の粋が集められています。特に独特な形をした階段と手すり、アーチに施された細やかな彫刻などは必見です。
もちろん一般の方も利用登録をすれば利用できる施設です。高野山大学そのものが一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、撮影時に大学内を散策した感じでは、ごくごく普通の大学です。ちらほらと坊主頭の学生さんや僧侶の格好をした先生などがおられるところが、唯一普通の大学と違うところでしょうか。
図書館の館内は、非常に素晴らしく見応えのある建物でした。特に書架は圧巻でした。この鉄製書架の鉄は、図書館建設当時に八幡製鉄所で製鉄された鉄を使用しているそうです。
また、書架の中の本も仏教書や密教書が大量にあり、中には手書きの本(おそらく人が書き写したもの)もたくさんありました。撮影に立ち会って、その場にいるだけでも厳かな気持ちになる建物でした。
取材にご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました!