[書評]デフレの正体

KindlePaperwhiteを購入し、読書時間を増やすという目標、少しずつではありますが、確実に読書時間は増えています。継続するのは案外得意だったりしますからね。

今回読んだのはこれ。

読みたいなぁと思っていると、タイミング良くKindleのセールで20%OFFになっていたので即購入しました。
販売直後は結構なベストセラーだったみたいですね。発刊から少し時間が経っていることもあり、少し驚きは少なかったかもしれませんが、確かにたくさんの示唆に富んだ内容でした。今読んでも十分役に立つと思います。

この本に書かれていることをすごく端的に言い表すと、デフレを生み出す原因は、「不景気」ではなく「人口の波」であるということ。中でも高齢者や子どもを含めた全人口ではなく、モノやサービスを生み出す「生産年齢人口」が減少することに原因があると指摘しています。

本書では、その理由も含めて客観的なデータを元に日本社会が抱える社会構造的な歪み、問題点を的確に炙り出しています。また、マスコミや役人、政治家の「詭弁」も鋭く指摘しています。例えば、失業率を議論するよりも就業者数を重視する方が日本経済の活性化には重要なのに、多くのマスコミや政治家がインパクトのある失業率という数字ばかりを追いかけようとすることなどです。

日本国内には1,500兆円の金融資産があるとされていますが、本書では、その大半は高齢者がイザという時や病気に備えて貯金しているもので、いくら景気対策を講じても世の中にお金が回ってくることはないといいます。

もちろん本書ではその解決策も提示されています。というか、これが本書の日本復活の処方箋でもあります。

1.高齢者から生産年齢人口への所得移転を促進する
2.女性の就労や役員への登用を促進する
3.外国人観光客や外国人短期定住者の受け入れ体制の整備

これらの多くが、世の中にお金を循環させる、すなわち「金は天下の回りもの」にするための施策。お金は、持ってるだけじゃ意味がないってことですね。

日本という国が置かれている現状を知るためにも、読んでおいて損はない一冊だと思います。

近いうちに読もうと思う一冊はこちら。